妊産婦は、母体と胎児の両方に栄養を摂らなくてはなりませんから、責任重大です。
妊産婦の栄養状態が悪いとおなかの赤ちゃんは充分に発育できません。
しかし、また栄養過多もさまざまな弊害をもたらし、糖尿病や妊娠中毒症、難産の原因となります。
大切なのは、たんぱく質やカルシウム、鉄分を充分に確保しつつ、エネルギーや塩分は控え、バランスの良い食事を心がけることです。
特に、塩分の摂りすぎは高血圧やむくみ(浮腫)を招く一因となりますので、他に問題がない健康な妊婦さんでも、1日10グラム以下に抑えるようにしましょう。
妊娠したからといって、特別な料理を用意しなければ、と難しく考えなくても、いつものお食事に少しプラスし、おなかの赤ちゃんの発育に必要なものを補うようにしてはどうでしょうか。
たとえば、普段朝食に納豆とご飯、お味噌汁をいただいていらっしゃる方なら、納豆にしらす干しを5g程度加えます。
そうすることでカルシウムが補えますね。
海苔を刻むだけでもミネラルを補えます。
また、昼食は軽くスパゲティで、という方は、サラダを追加してはどうでしょう。
それもレタスやキャベツといった淡色野菜ばかりのサラダではなく、ブロッコリーや人参がたっぷり入った緑黄色野菜のサラダです。
生よりも温野菜にするとかさが減って食べやすくなります。
サラダが無理なら、野菜ジュースをデザート代わりにいかがでしょう?
夕食は、焼き魚もいいですが、魚をホイル焼きにし、玉ねぎや人参、しいたけ類をスライスしたものをいっしょにホイルに包みます。
このときとろけるタイプのチーズを加えてはどうでしょう。
魚のたんぱく質に、野菜類と乳製品が加わり、メインのお料理だけでもずいぶんと栄養のバランスが取れますし、塩焼きにした場合よりも塩分を控えることができます。
食べるのがつらいこともあるでしょう。ちょっとした工夫で楽しく栄養を補えるといいですね。