立ち仕事が多い人に、静脈瘤(じょうみゃくりゅう)が、特に足の静脈瘤が発生しやすいという報告があります。
これを下肢静脈瘤と呼びます。
たとえば、ウェイトレスや調理師、歯科医、理容師、美容師などの職業に就き、長時間立ったままの姿勢で仕事をされる人たちです。
これらの職業に就いていらっしゃる方は、(仕事中はしかたがないとしても)休憩時間には、足を高く上げ、足の静脈に血液がたまらないようにすることが有効です。
特に夕方になると、足の静脈に血液がたまり、むくみ(浮腫)が出てきますから、夕方には足をマッサージするようにしてみてはどうでしょう。
その他、仕事中でも足の血液の流れをよくするために、なるべく動くようにします。
同じところにじっと立っているのがもっともいけないようです。
その他、ストッキングなどを利用するという方法もあります。
伸び縮みをする包帯を足の指先から膝あたりまで巻く、弾力性のあるストッキングをはく、などの対策です。
これらは一般の薬局で入手できます。
静脈瘤は、放置しておくと確実に悪化します。
回復も困難になりますので、早めになんらかの対策を取ることが必要です。
以上のような方法を行っても症状がまったく改善しない場合は、もはや手術をしない限り、仕事に従事することが難しくなるでしょう。
静脈瘤が悪化し、血栓性静脈炎や色素沈着、下腿潰瘍といった合併症を引き起こすことは決してまれではないのです。
特に静脈瘤から出血した場合には、足を心臓よりも高くして寝ているとたいていの場合は出血が止まります。
しかし感染の危険がありますので、医師の手当てを受けてください。