急性腎不全は、急に腎臓の機能が低下し、尿が出なくなる、あるいは出たとしても極端に少なくなる病気です。
正常な人の場合、一日の尿量は約1500ミリリットルです。
しかし急性腎不全の人では、500ミリリットル以下になってしまいます。
まれに、尿量に変化がない人や、逆に多尿となる人もいますが、このような場合でも、血液検査をすると腎不全の異常が見られます。
急性腎不全の主な症状
急性腎不全では、尿の変化をはじめ、むくみ(浮腫)など、さまざまな症状が生じます。
特にむくみ(浮腫)は、足や顔面だけでなく、肺水腫などとしても現れます。
急性腎不全は大きく、1.乏尿期と、2.利尿期にわかれます。
1.乏尿期
この時期には、ほぼ尿毒症に近い症状が現れます。
食欲不振、頭痛、吐き気、嘔吐、などです。
症状が進むと、全身障害、意識障害、下痢、呼吸困難、不整脈、心膜炎、肺水種、といった危険な症状が生じます。
2.利尿期
この時期になると尿量が増えてきます。
逆に、正常な尿量をはるかに超えて1日に2〜5リットルも排出されることがあります。
この時期を乗り越えられれば、あとは回復に向かいます。
利尿期は1〜2週間くらい続き、その後、回復期に入って完全に腎臓の機能が回復するまでには通常、6ヶ月〜1年程度かかります。
以下に、急性腎不全全般の症状の主なものをあげます:
・顔面浮腫
・両足のむくみ(浮腫)
・肺水腫
・貧血
・紫斑
・舌および口唇の乾燥
・たんぱく尿、乏尿、血尿、尿路感染症
・嘔吐、悪心
・精神障害
など。